ザ・マジックアワー(2008年:日) [Movie(映画・DVD)]
三谷幸喜作品の中で最も好きな映画がこの「ザ・マジックアワー」だ。
独自の時代設定で街並みや人物を作り上げて繰り広げられる喜劇は何度観ても面白さが変わらない。
佐藤浩市氏演じる村田大樹が偽映画の殺し屋『デラ冨樫』を演じる姿には笑わずにはいられないはずだ。
ここで喜劇や役者を論ずるのは甚だ恐縮だが、喜劇が出来る役者は本物だと思う。そこに「わざとらしさ」の欠片が垣間見えた瞬間に観衆は一気に白けてしまうからだ。
本人は真剣なのにそれがコミカルに見えてしまう。筋書きはシリアスなのに展開が笑わずにいられない。
笑えない喜劇ほど悲惨なものはなく、もちろんそれらを一つの作品として完成させる監督の手腕が必要であることは言うまでもないが。
どの作品も捉え方は観る人それぞれであり、この作品に限ったことではないが、タイトルの「マジックアワー」が「人生最高の瞬間」であることは十分伝わってくるはずである。
主役の村田が人生で一度も見たことのない自分が主演の映画のラッシュを劇場で観ながら涙するシーンが正に彼にとっての「マジックアワー」であったのだろう。
そして、その「マジックアワー」は決して一度きりのものではないことも。
舞台演劇の限られた時間と空間での演出と映画の奥行きが程良くミックスされたテンポよいこの作品、ファンならずとも一度は観てはいかがだろうか。
偽デラ富樫、最高に笑えますよ。
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