バック・トゥ・ザ・フューチャー(Back to the Future:1985年:米) [Movie(映画・DVD)]
バック・トゥ・ザ・フューチャーは1985年にシリーズ1作目が公開、'89年にパート2、'90年にはパート3が公開されたタイムトラベル映画の金字塔的作品だ。
80年代、90年代にリアルタイムで劇場で鑑賞し、気に入った人なら何年かに一度はもう一度観たくなってしまう。
そんな欲求をすぐに満たすために購入した3本のDVDを先日また観てしまった。
1985年ドク(クリストファー・ロイス)の発明したタイムマシンでドクの親友マーティ(マイケル・J・フォックス)が1955年にタイムスリップ。過去でのトラブルが元で自らの出生の歴史が取り消されてしまうタイムパラドックスに陥るのを防ぐために起こる様々なドタバタを描くSFコメディ。
ガルウイングのスポーツカー、デロリアンがタイムマシンであることも斬新なアイデアでヒットの要因のひとつでもあった。
さて、作品そのものの魅力はこれまで多く語られているので、ここでは作品の衣装、特にジーンズについて述べてみたい。
1950年代後半、ジェームスディーン「理由なき反抗(1955)」、マーロン・ブランド「乱暴者(1953)」等から火がついたジーンズはアメリカ国内のみならず、世界的に若者の間で流行する。ただそこには不良ファッションとしてのイメージが付きまとい、アメリカ東部ではジーンズ禁止の学校もあったようである。
そこで、街の不良役パート2で登場するビフ(トーマス・F・ウイルソン)の1955年シーンの衣装をみてみよう。
劇中のビフ君は街の不良を束ねる青年。そんな彼の普段着はリーバイス。股間の生地の具合から501だと分かる。防縮加工(プリ・シュランク)デニムでロット505が登場するのは60年代になってからなので、この辺りの時代考証もしっかりとしているようだ。
501であることをもう少し掘り下げてみると、マーティがタイムスリップする1955年はリーバイス501XXがギャランティ入り紙パッチモデルをリリースした年。つまり、センターベルトループ革パッチと混在していたころである。
パッチのディテイルがこの映像では確認できないが、おそらく紙パッチ。バックポケットの形状やアーキュエイトステッチのカーブの深さからすると66年モデル以降のモデルか。
ロールアップで穿いているが、セルビッチを確認できない。この時代は当然赤耳の時代。
ブルーレイなら鮮明にわかるのだろうが、米国リーバイがLVCから復刻を製造し始めたのが96年だとすると、パート2の公開が1989年なので、復刻版を穿いているとも考えにくい。そうすると、おそらく当時(1987~88年)のレギュラー501だということになる。
さすがに、そんなところまでつっつく者もいないだろうからジーンズ好きのツッコミ程度にお考えいただければと思う。
ところで、主役のマーティのジーンズといえば、
おなじみのこのシーンからみてみよう。作品制作、公開が80年代後半。当時日本のみならずケミカルウォッシュ&スリムジーンズが流行っていたことは、先日も触れた。マーティの穿くジーンズはその当時の流行りものそのもの。
マーティの着用するデニムジャケットが注目されそのブランドは何かと話題にもなったようで、ネットで調べるとどうもGUESSだったよう。
穿いているジーンズもGUESSのものだが、撮影時諸事情によりブランドマークが外されたとのこと。よく見ると右ポケットに逆三角形のワッペンの取り外し跡が残っているのが分かる。
映画のヒットとファッションの流行は濃い関係があることはご存知のとおり。物語のバックグラウンドをこんな視点から観てみるのもまた面白い。
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別のシーンで赤ミミ確認できました!
by ドク (2020-06-09 08:20)