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プラダを着た悪魔(The Devil Wears Prada:2006年:米) [Movie(映画・DVD)]

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メリル・ストリープV.Sアン・ハサウェイの「プラダを着た悪魔」。タイトルから女性向けのセレブ&ファッション系の映画と思っていたが、内容は非常に深いものだった。

 

誰もが自分の身につけるものに何らかの拘りを持っている。衣服もまたその一つで、どんなに服装に無頓着に思えても、許す限り自分なりの自由な着こなしをしているはずだ。

いつも地味な服装しか着ない人でも、その地味さに拘っており、決して人に派手な服装を勧められてもそれを身につけることはない。それは個人の趣向の問題だ。

いつも同じものを着ている人も、同じものを着るということで縛りをかけている。

つまり、流行にのるも反るも個人の自由なのだが、それでも知らず知らず世の中に溢れるパターンの一部を取り入れざるを得ないようになっているのである。

その世の中に溢れるパターンの作り手、いわば流行の仕掛け人が、本作のテーマであるファッション業界のTOPクリエーター達だ。

この作品で最も印象的だったのは、ファッション誌「ランウェイ」の編集長ミランダ(メリル・ストリープ)と田舎からニューヨークへ記者になるためにやってきてアシスタントとなったアンドレア(アン・ハサウェイ)との青いセーターを巡るやり取りのシーンだ。

ミランダのアシスタントとして働き出して間もないアンドレアはミランダのアシスタントにも関わらず、我が道を行くセンスの着こなしで仕事をしているのだが、ある日もう一人のアシスタントが2本のベルトの選択でミランダに相談しているときの出来事だ。

同じようなベルトを真剣に選んでいる二人の様子が滑稽に見えたアンドレアは思わず吹き出してしまい、それに対してミランダはアンドレアの着ている青いセーターに一言。

「あなたが着ているセーターの青はターコイズでもラピスでもないセルリアンよ。2002年にオスカー・デ・ラ・レンタがその色のガウンをコレクションで発表し、~中略~。そもそもあなたの着ているその青いセーターは、ここにいる私たちが選んだの。山のようにある『こなの』の中から。」

流行の色やスタイルは業界の仕掛けだといわれるゆえんであるが、彼らの新しいモノを作り出し世に出すという誇りを読み取ることができるシーンだ。

このblogでもとりあげたディオール・オムのブラック&スリムデニム然り、トップガン女子然り、レイバン然り、誰かが創造しそして、世に広め、量産されることがなければ、全て私たちが自分でオーダーメイドするしかないのだから、ファッション業界も華やかさだけのものではないと知ることができるだろう。観終えてから、何かこれまでとは違う感性で服装を選ぶようになったキッカケにもなった作品。 

本作はミランダとアンドレアのやりとりがコミカルに描かれながらも、華やかだが生き馬の目を抜く業界で生き抜く人間達の泥臭さも描かれており、そのコントラストが全体に締りを与えている。

中盤からはさえない田舎出の若い女性のサクセスストーリーかと思わせるのだが、ラストはこちらの想像を裏切る展開に。

TV版のミランダの吹き替え夏木マリさんが最高に素晴らしい。 


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