死霊館(しりょうかん)(The Conjuring:2013年:米) [Movie(映画・DVD)]
多くの超常現象を調査するエド&ロレイン・ウォーレン夫妻が体験した実話をもとにした物語。
1971年にロードアイランド州に一軒家を買ったペロン一家を心霊現象が襲う。相談を受けたウォーレン夫妻はペロンの家を訪れただならぬ気配を感じ悪魔払いの許可をヴァチカンに得るべく調査を行うが、次々に心霊現象が調査チームを襲い、ついにはウォーレン夫妻の娘にまで魔の手が伸びるのだが・・・。というスト―リー。
本作は「ソウ」の監督で知られるジェームズ・ワン氏。独自のカメラワークなどでなかなか怖い作品となっているが、本作で注目すべきは、ウォーレン夫妻の考え方である。
作品中でも語られているが、心霊現象・超常現象をまずは科学的に解明するという点である。この試みは先日NHKでも心霊現象を科学的に解き明かすという特番にもあったのだが、アメリカやヨーロッパなどではれっきとした学問として長きに渡り成立してきたものだ。
その番組では例えば「寒気と恐怖」の関係性について次のように説明していた。
「背筋が凍る」「霊が現れるときは気温が下がる」などの「恐怖と悪寒」についての関係性は古くから語られてきたが、実際に幽霊が現れると有名な古城で、そのスポットの気温が下がるのかなどを最新機器を用いて測定するのである。
実験結果は、確かにスタッフは「悪寒」を覚えたが、気温変化は無かった。その情報を各研究機関に流すと、次のような実験結果が調査に対して帰ってくる。
「ネズミは蛇に睨まれると体温が下がる」というものだ。哺乳類は天敵を前にすると体温を下げる傾向があるらしい。ここに人間の思い込みが加わる。つまり、ここは「怖い場所だ」という思い込みから、何らかの音や気配に反応して自ら体温を下げた結果として「悪寒」を覚えるのだという解釈である。
なるほど、本作でも語られているように多くは「科学的」に解明できる現象といえるようだ。最近多くでまわっている恐怖VTRもデジタル技術の発達による「創作」であることは間違いないだろう。
しかしながら、本作に見られるように極少数ではあるが、我々の測り知れない「何か」の力が働くことで、恐怖体験をすることがあるのもまた事実なのである。
それは「悪魔」なのか、それとも我々の内に潜む「悪魔」の体現なのか。。
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