「絆」ってそんなに表に出るコトバなのか? [Words(コトノハ)]
3.11以降「絆(きずな)」なるコトバをあちらこちらで見聞きするようになった。
この「絆」 という言葉が人と人のつながり、支え合いなどの意味で使われるようになったのは、比較的最近のことのようで、元は家畜などを木などに繋いでおく綱の意味であったらしく、切っても切れないもの、またそこからシガラミや呪縛というような意でも使われていたようである。
確かに家族の絆といえば、良い意味で使われるケースが多い。
たぶん3.11以降の絆の本来の使い方は家族を案じたり、支え合ったするより身近な者どうしの思いやりを指してのことなのであろう。しかしながら、他人との希薄なつながりまでもこの「絆」というコトバでより関係性を強めようという動きがあることが気に掛かる。といより不快だ。
折しもfacebook全盛の今日、常に他者と関わり自らをアピールすることへの違和感は依然としてぬぐえないのである。
すでに商業ベースが入り込んだこういったメディアは自由な発言ができない環境へと変わってきている。
そんな状況を反映してか否か、次の記事にあるような真のプライベートネットワーク作りが受け入れられ始めたのも頷けるのである。
薄っぺらな関係を「絆」とはいえない。そしてきれいごとだけではないのも「絆」なのである。真の「絆」は太くて簡単に切れるものではなく、それだけにごく一部の関係性の上にのみ成り立つものなのだ。それだけ強い関係性を意味するものとして認識している。さらには排他的なイメージさえも付きまとう。
ゆえに、支援プロジェクトのキーワードにしたり、Tシャツやタオルなどにプリントされている「絆」に多分に違和感を覚えるのである。(けっしてこれらの取り組み自体に異を唱えるものではない。)
まあ、今年の漢字などでメディアが取り上げたこともあろうが、もう少しコトバの持つ本来の意味を考えてほしい。 本当の意味での支え合いや助け合いを表す一語が見つけられなかったことが落ちだったりもするのだろう。
コトバの意味は移ろい変わるものだけに目くじら立てても仕方ないのだが。。。
2012-10-07 19:15
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