SSブログ
 
 
 
 
 
 
 
 

幸福について 人生論 ショーペンハウアー著 を読む その2 [人生論を読む]

本書は、先の緒言から始まり、全六章から成っている。

木を見て森を見ずではないが、小説ではなので、全体像を掴むことから始めたいが、大前提として、本書が、厭世哲学者と言われる筆者のものであるという点を確認しておきたい。
また、本書は随筆「処世術箴言(しんげん)」の全訳であるということも同時に押さえておきたい。

さて、全体の構成はといえば、
 
第一章:人間の3つの根本規定
第二章:人のあり方について
第三章:人の有するものについて
第四章:人の与える印象について
第五章:訓話と金言
第六章:年齢の差異について
 
となっていて、第一章にて、幸福を求める人間の根本的な要素を3つ述べ、続く第二章から四章において、それぞれについて言及しているのである。第五章では、筆者の知るところの訓話、金言を整理し、最終章において、年齢の及ぼす影響について述べることで締めくくっている。
 
 
第一章

第一章において、著者は「無常の人間の運勢に現れた差別の基礎をなすものが、三つの根本規定に帰着させられる」としており、それらは、
 
1、人のあり方=人品、人柄、人物(健康、力、美、気質、道徳的性格、知性ならびにその完成を含む) 
2、人の有するもの=所有物
3、人の印象の与え方=名誉と位階、名声

であるとしている。
 
つまり、人間はみんな違う。それは、「無常の運勢」によって違いが生まれている。性格や、健康、財産、人に与える印象、これらは、生まれつき違えば、成長するにしたがって変わるものでもある。人間の運命は『無常』なのである。
 
その中でも、人生の幸福にとっては、三つの中では、一つ目の「あり方」すなわち「人柄」こそ文句なしに第一の用件であり、もっとも本質的に重要なものであるとしている。
 
これは、よく言われていることではあろうが、富よりも健康といってしまえば分かりやすいであろう。
 
そして、とにかく「頭を使え」「感性を磨け」ともいっており、「精神性を高めよ」といっている。
 
精神性を高めねばならない理由は?それは、「幸福を自分の内面以外の他の要素に頼るな」ということらしい。
 
例えば、金があれば幸福というならば、金が無くなればそれは不幸になる。
彼氏、彼女といるのが幸福ならば、いずれかが去れば、それは不幸になる。
若さや美しさを保つことが幸福ならば、いずれ老いることで不幸になる。
地位や名声を幸福とするなら、地位がなくなり、名声が落ちればそれで不幸になる。・・・ 
 
簡単に言えば、そのようなことのようである。
 
そして、決してなくならないもの(生きていること前提)は、自分自身の精神なのだ。
 
なるほど、確かに私たちは何かを求めることで、大切な自分を見失うことが多い。
さらには、見失っている自分にすら気が付かないこともある。
 
それらを求めることで、果たして何が手元に残っているのか?そういったことを考えられる力、すなわち「知性」を身に付ける必要を繰り返し述べているのである。
 
つづく 
 
 
 
 


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました
 
お気に入りのDENIMが見つかるかも 
 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。