「Lee」とピープル・ツリーが初コラボレーション [DENIM(ジーンズ)]
「Lee」とピープル・ツリーが初コラボレーション。2014年秋冬コレクションから、オーガニック&フェアトレードコットンを使ったデニムパンツ、スカートをリリースするそうだ。うーん、業界的にはもう今年の秋冬の話なのね。
【引用】
Lee Japan 取締役 細川秀和氏は、「コットンの生産現場には農薬や児童労働等さまざまな問題が多く潜んでいます。Leeではウガンダやインドのオーガニックコットンの生産者の支援を続けてきました。ピープル・ツリーとのコラボレーションデニムで、人々が笑顔になるデニムをより多くの人々に楽しんで頂ければと思います」とコメントしている。
とのことで 、オーガニックであることの意味は、より自然に近い農法で作られたコットンということ。これは、虫や病気を防ぐ農薬を極力もしくは全く使用しないコットン栽培の現場は決して楽ではないが、農薬による健康被害や周辺環境への生態系への影響を避けるという大変重要な意味を持つ。
フェアトレードであることの意味は、単に児童労働NGということではなく、買い取り制度など含めた生産現場を守り、消費する側と生産する側の経済格差をより小さくしていくという意味で重要だ。
もともと、フェアトレードの意識はヨーロッパでは定着しており、その市場規模は日本をはるかに上回るが、世界市場でみた場合2012年度は全体で5,000億円程度(あくまでも認証制度をとった商品に限るが・・・) とまだまだこれから本格的に広がりが必要な取り組みの一つである。
こういったことをデニムの世界で実現した「Lee」には敬意を表したいが、これはあくまでもシンボリスティックな商品としてブランディングをしていただきたい。
どう考えてもデニムの寿命は通常のTシャツなんかより「長い」。つまり消費サイクルの長いアイテムだ。正直このデニムパンツが毎年ガンガン売れるとは思えない。フェアトレードの原材料自体対日本向け製品はまとまったロットが出しにくいので、安定供給が難しい可能性もあり、当面限定生産になることもあろう。
むしろアンダーウェアとかシャツの方が回転は速いだろうから、そちらの製品にもこのフェアトレードコットンを投入してもらいたいものである。
メンズ定価16,200円はユニクロの3,980円の約4本分の値段だ。ターゲットが違うのは当然だが、売れなければこのプロジェクトは消失し、結果生産現場には一時的な利益しかもたらさない。
少々高くてもシンボル的なものと、安価で安定的に売り上げの見込めるものの両輪があれば、少しでも関心がある層を拾うこともできるのではないか。
高い理念を掲げ、実行に移したのだから、これを如何に継続させマーケットに根付かせるか。このデニムには既にストーリーが出来ているが、それはプロローグでしかなく、実はこれからが本編なのだ。
どんなlotナンバーが与えられるか気になるところだが、エポックメイキングとなる一品となってもらいたいものである。
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