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300 〈スリーハンドレッド:300:2007年:米) [Movie(映画・DVD)]

紀元前480年。ペルシアは大軍を派遣し、古代ギリシアのポリス、スパルタに服従を要求。スパルタ王レオニダスはこれを拒否し、闘いを決める。しかし、神託と評議会によって非戦が決定されてしまう。レオニダスは、この決定を無視してわずか300人のスパルタの戦士を率いて100万人のペルシア軍を迎え撃つ作戦を立てる。その作戦とは、地の利を生かし峡谷を通るペルシア軍を迎撃しようというものだ。ここに史実「テルモピュライの戦い」が始まるのであった。

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スパルタ教育で知られる都市国家スパルタ。国内の反乱分子の制圧と周辺国家との戦争に勝つため、徹底的な戦闘軍団育成を目指すスパルタでは、男女共に肉体的に優れた遺伝子を残すことを国是としていたそうだ。脆弱な男児は生まれてすぐに捨てられ、成長するとすぐに軍事訓練への参加をしなければならず、女性も体育が推奨されたとのことである。

そんなスパルタの戦士の戦いを描いた本作、見どころは何と言ってもジェラルド・バトラー演じるレオニダス以下、スパルタ戦士たちのマッチョボディと奇妙なペルシア軍団との肉弾戦だ。ペルシア王クセルクセス1世(レナ・ヘディ)も超怖い。

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アケメネス朝ペルシアのクセルセイ1世

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同じアケメネス朝ペルシア最後の王ダレイオス3世(と伝えられているもの)

100年程差があるとはいえ、同じ王朝の王とは思えないほどの変貌。イラン政府からクレームがついたらしいが、確かに激しく違う。

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しかも、こんな山車に乗って顔面ピアスだらけのすっぽんぽんに近い王。映画の演出としては面白いが、ペルシア帝国ってこんな国だったんだと信じてしまう人がいるかと思うと、イランの方も少々気の毒な気がする。もし日本神話のスサノオウがこんな風に描かれたら、日本人なら卒倒するだろう。忍者みたいなペルシア兵も登場するし、オリエントは西洋からすると今でも不思議エリアなのだろうかと思ってしまうのである。

とはいえ、豪快な肉弾戦は古代の戦闘を彷彿とさせ、スパルタ式戦士育成も然りと思わせるものなのだ。戦争は武器の発達を促し、武器の優劣が勝敗を大きく左右する。こん棒が石に変わり、青銅は鉄に変わる。矢は銃に変わり、馬は戦車に・・・。何故今も戦争はあり続けるのか?そんなことまで考えさせられるのである。

「トロイ」や「スパルタカス」、「アレキサンダー」「クレオパトラ」などの史実をモチーフにしたもの、「タイタンの逆襲」や「インモータルズ」など神話をモチーフにしたものなど、古代地中海エリアを描く作品には、中世や近現代にない魅力が沢山盛り込まれていて興味深い。制作サイドは何を求め、聴衆も何を求めているのか。

創り物と分かっていながら楽しめるのが、映画、文学の魅力だと改めて感じるのである。 

 

 


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