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鑑定士と顔のない依頼人(The Best Offer、原題:La migliore offerta:2013年:伊) [Movie(映画・DVD)]

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久しぶりにみごとに騙された作品。

『パイレーツ・オブ・カリビアン』バルボッサ船長でお馴染みのジェフリー・ラッシュ演じるヴァージル・オールドマンは完璧な鑑定士で、彼の目利きに間違いはない。鑑定士として揺ぎ無い地位と名声を得る一方で、友人ビリーと手を組み、高価な絵画をコレクションしていた。

あるときヴァージルの元に両親の残した家具などの査定の依頼が入るが、依頼人の女性は何かと理由をつけてはヴァージルに姿を見せようとしない。その上、度々ヴァージルの機嫌を損ねる言動をとり、ヴァージルは何度も依頼を断ろうとする。

しかし、最初に訪れたときに拾ったひとつの歯車を持つ小さな機械が、歴史的に貴重なオートマタ(自動人形)のパーツであることに気が付き、訪問するたびに手に入るその破片が気になり、どうしても依頼を断りきれないのであった。

 

序盤は、謎の依頼人にスポットがあてられる。屋敷に入ると声だけがする依頼人。その姿は誰も見たことがないという。初めはオカルトかと思われた謎は、人前恐怖症で隠し部屋に引きこもる女性であることで解決する。

次はこの女性がどんな女性であるかに関心が向けられるのは、ヴァージルも見る者も同じであろう。そして、部屋に無造作に置かれた美しい女性の肖像画が母親がモデルだという20代後半と思しき声の主をどうしても一目見てみたいという欲望に駆られる。果たしてヴァージルはその欲望に逆らえず、密かに覗き見てしまうのだが、これが想像通りの美女だからたまらない。

これまで、美術品の鑑定とオークションに人生をささげてきたヴァージルが、徐々に彼女に心を奪われてゆく。

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クレア役のオランダ出身のシルヴィア・ホークス。中盤以降姿を現し、物語をまったく違った方向へ・・・。

物語は中盤以降、ヴァージルとクレアの恋の行方へと大きく関心を向けられることになる。

オートパス復元の手伝いをする傍ら、ヴァージルに恋の手ほどきをする技術士ロバートのアドバイスに従い、クレアを口説き始めるヴァージル。ロバートの言うとおりにことが運び、鑑定一筋の童貞老人は、引きこもりから開放された美女と結ばれることとなり、めでたしめでたし。

残るは復元間近のオートパスの何か大きな謎解きとなるか、と思いきやとんでもない結末が待っているのであった。

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そのキーパーソンが長年の友人であり、オークション落札品の横流しを手伝うビジネスパートナーでもあるこのビリー(ドナルド・サザーランド)だ。

結末は作品でご覧いただきたい。 

本作はミステリーである。ミステリーでは作中の恋愛もまた重要な謎解きピースのひとつだということを忘れると術中にはまるようだ。ミステリーにおいて、その謎解きの過程で登場人物が恋愛関係になることはよくあるケースだ。そのありがちなケースをどこまで疑念を持ってみることができるか。

ヴァージルに感情移入するほどに深みにはまり、客観的に観るほど危うさを感じるだろう。 

劇中ヴァージルも「人の気持ち、恋愛の贋作(がんさく)が見抜けるのか?」と自身で問うているのが印象的だ。

2回目に観るとまったく違った感想を得られるということでも評判らしいが、果たしていかに。暫くして再度観てみたい。 


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