カンフーハッスル(功夫:2004年:香港) [Movie(映画・DVD)]
プロレスラー小川直也氏の 「ハッスル!ハッスル!」が一世を風靡した2004年、映画「少林サッカー」で日本を驚かせたチャウ・シンチー監督・主演の香港映画「カンフーハッスル」が公開された。
原題「功夫」が「カンフーハッスル」という邦題になったのは、世相を受けてのものだったのだろうか?と、ネーミングに少々不安を抱きつつ、「少林サッカー」の衝撃を期待して劇場に足を運んだことを覚えている。
キャストはシンチー軍団ともいえる「少林~」の面々で固められながらも、ベテラン俳優陣を要所に配し万全の態勢だ。
作品全般に渡り、様々な有名作品の名場面が取り入れられているようで、知っている人なら、「このシーンは・・・」というパロディ要素も多数見受けられる。
1930年代の上海を舞台にしたギャングとその刺客・用心棒VS正義に目覚めたカンフーの使い手という設定。
格闘シーンが見物ではあるが、その隙間、隙間を埋める抱腹絶倒のおバカシーンが実にいい味を出している。
ただし、冷酷なギャング、刺客などが登場するだけ少々凄惨なシーンもあるので、「少林~」より、はるかに血なまぐさい点がある。その手のものがあるとNGという方には若干辛い場面があることをあらかじめお知らせしておきたい。
更に監督が力を入れたのが「京劇」の音楽要素を取り込んだ劇中音楽である。主に格闘シーンで用いられるのだが、実に巧妙に且つ美しくダラダラしがちなシーンをテンポ良く魅せてくれる。ギャングに襲われる街を守るカンフーの使い手3人が闘うシーンの出来は鳥肌が立つほどだ。
ラスト直前、平和が訪れた街でのシーンは、悔しいが一瞬泣ける(涙腺が緩くなってしまったか?)。
難しいことは一切なく、ただただ映画の面白さを求めた本作品、「少林サッカー」直後に観るほどに面白さも倍増する可能性が高いので、直後のご紹介となったわけだが、B級映画と思ってご覧いただき、いい意味で期待を裏切ってもらっていただきたい。2005年度アメリカで海外作品最大のヒット。外国語映画部門ゴールデングローブ賞ノミネート作品である。
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