パッカリング(ウネウネの素) [DENIM(ジーンズ)]
ジーンズ好きにとっては、裾のユーズド感はその価値を決める大きなポイントの一つといえる。
かつて、ストーンウォッシュなるものが流行ったとき、裾を詰めると詰めた部分だけが、妙に新品感あふれる風体になり、子どもながらに違和感を覚えていたものだ。店で買った時はあんなにカッコよかったのに、裾を詰めた途端にカッコ悪く見えてならなかった。足が短い自分のせいだし、仕方ないか。それに皆初めはきっと同じだと思いこもうとしていたし、大半はそうであったはずだ。とはいえ、それが「当り前」と思っていた田舎の小僧は、後にそれが当たり前ではなく、無知なるが故の妥協であることを知ることになる。
以前述べたが、加工もののジーンズを買わなくなった最大の理由は、この裾問題にあった。ならば、自然に任せカッコよくなるのを待とうという作戦だ。この作戦はこれまで、自身においてほぼ間違いのない選択であり、十分満足のいくものであった。
ここ数年の納得感ある「ウネリ」具合。
しかし、これもまた偶然と妥協の産物であることが、最近の観察と調査で判明した。荒縄のように斜めに力強く「ウネリ」の効いたものとは何かが違うのである。
リジッドからではないからか、生地の差か、ステッチの種類か・・・。様々な要素があるようだが、答えは「パッカリンング」にあった。詳細は、下記サイトに詳しく解説があるが、決定的な要素はこのパッカリングによるようだ。
http://www.style-connection.net/denim/processing05_1
よく見ると確かにこの裾は、確かにセンターがずれていて、シングルステッチだが、「ウネリ」は生じている。
こちらは、最近チェーンステッチで裾直しをしたUR066でまだアタリが少ないが、カッパリングパッカリングが見られず、斜めのアタリ具合が見られない。上は切り取った部分だが、カッパリングパッカリングが見られる。「ウネリ」具合は上の方が斜めに入っていてカッコいい。
ということは、お金をかけ、この丁寧に仕上げられたチェーンステッチでは、「ウネリ」は期待できないということだろうか・・・。
チェーンステッチなら何でもいいというわけではなく、やはりユニオンスペシャルでないとだめなのか、はたまた、「パッカリング」させてくださいと頼まないとだめなのか・・・。
今の時代けっして合理的とはいえないジーンズの世界観は、知るほどに面白く、また手間のかかるものだと改めて実感したのである。また、奥を知るほどに不幸も増えるとはこのことで、知らぬが仏とはよく言ったものだ。
あー気になって仕方ない。
パッカリングをカッパリングと表記してしまっていた
河童リングか・・・。
コメント 0